先日、三浦半島にあるソレイユの丘へ行く際に日産のカーシェアサービス「NISSAN e-シェアモビ」をはじめて利用したので、レポートしたいと思います。
ソレイユの丘の体験レポートはこちら。
e-シェアモビとは
日産が2018年に提供を開始したEVとe-POWERシリーズのカーシェアリングサービスです。
車種
本記事執筆時点では以下の3機種。最新技術の詰まった車をシェアできるのが魅力の1つです。
- リーフ
- ノート e-POWER
- セレナ e-POWER
リーフはピュアEV(電気自動車)。e-POWERシリーズはEVと同じくモーターで動くのですが、エンジンを発電専用として活用することでEVのような充電待ち時間が不要になり、普通のガソリン車と同じようにガソリンスタンドで給油します。
リーフもノート e-POWERも電気の力によりコンパクトカーとは思えないパワフルな加速でとても走りやすいです。当初電気自動車は航続距離が短いと言われていましたが、新型リーフになり航続距離は最大400kmに。日帰り旅行であれば、大抵充電不要でいけそうですね。
充電スポットも全国で3万基を突破したとのことで、商業施設やSA、道の駅など色々なところでよく見かけるようになりました。それでも心配、または相当遠方までドライブするため航続距離が最優先という人にはノート e-POWERとセレナ e-POWERがあります。
ちなみに、私のお気に入りの朝霧高原 田貫湖キャンプ場までは横浜から約150kmなので、道の駅 朝霧高原とあさぎりフードパークで買い出し&ご飯を食べている間に1度急速充電(急速充電はエンプティランプ点灯→80%充電までで約40分)すれば確実に大丈夫ですね。皮算用が捗ります。
ステーション
まだサービス開始後2年ということもあり、駐車場運営会社でもありステーション設置に有利な先行組のタイムズカーシェアやカレコと比べるとステーション数は限定的です。カーシェアは家の近くにステーションがあってこそだと思うので、契約前に確認が必要です。
桜木町駅から徒歩10分圏内だと以下の2ヵ所。
- 神奈川日産中央店ステーション(日産リーフ設置)
- 横浜ロイヤルパークホテルステーション(セレナ e-POWER設置)
ノート e-POWERを利用したい場合、一番近いのは横浜駅の鶴屋町にある「横浜谷川ビル 第3ステーション」です。
都道府県別にみると最多は東京都で114ステーション、続いて神奈川県と大阪府が86。その次は兵庫県ですが24ステーションとTOP3からはぐっと数が減ります。
ちなみに、三大都市圏の愛知県がわずか7というのはやはりトヨタのお膝元だからなんでしょうか(ちなみに2019年に開始したトヨタシェアは神奈川県にはまだステーションなし)。
月額料金
ベーシックプラン(1,000円/月)と月額無料プランの2種類から選べます。
買い物は基本徒歩か自転車、旅行のときのみ車を利用する私にとって月額無料プランがあるのは有難いです。
距離料金
距離料金はなんとゼロ!!
カーシェアサービスは、6時間などのパック料金ではガソリン代の変わりに距離料金が設定されていることが一般的ですが、ここは距離料金なし。車種がEVと燃費のいいe-POWERシリーズのみだからこそ可能な料金設定なんでしょうね。
今まで遠出はレンタカーを利用していましたが、カーシェアを遠出で利用しやすくなりました。
今回行ったソレイユの丘までは往復約90km、タイムズカーシェアやカレコだと1,500円前後の距離料金が発生するので、この二社よりも安く済みます。距離を気にしなくていいのが心理的にもいいですね。
利用料金
月額無料プランでコンパクト(リーフ・ノート)車種の場合、主な利用料金は以下の通り(すべて税込み表示)。他にも夜間利用向けのお得な料金もあります。
- ショート:200円/15分
- 6時間 :4,100円
- 12時間:7,600円
- 24時間:9,600円
ちなみに、月額無料プランでセレナの場合は以下の通りと6時間以上の利用ではコンパクト車種とほとんど差がありません。レンタカーや他の大手カーシェアでは一般的にコンパクトとワゴンでもっと値差をつけていますので、この価格設定はかなりお得ではないでしょうか。
- ショート:400円/15分
- 6時間 :4,100円
- 12時間:7,600円
- 24時間:9,800円
我が家は3人家族なので基本的にリーフかノートになりますが、5人以上の家族やグループ利用の方にはかなりオススメですね!
会員登録〜利用開始まで
まずは会員登録。
運転免許証とクレジットカードがあれば登録可能です。手続きはオンラインで完結し、書類の郵送や店舗で必要な作業などはありません。申込後最大48時間で手続きが完了となっていますので、すでに出発日が決まっている人は早めに会員登録まで済ませておくのがお勧めです。
予約もwebから。ステーション・車種・希望日時とオプションサービス(NOCサポートプラン)有無を指定するシンプルな画面なので迷うことはまずないと思います。
当日の利用開始手順は、リーフとe-POWERシリーズで少し異なります。リーフの場合おおきく以下の流れ。
- 駐車場のサインキューブを移動
- 会員登録済みの免許証を車のリアウィンドウにあるカードリーダーにかざす(ドアロックが解除されます)
- 助手席のグローブボード内にあるキーボックスから、車のキーを貸出側にまわして取り出す
- リーフのボンネットにある充電ポートから充電コネクタを抜く
- 充電ポートのキャップを閉めてから、充電ポートの蓋を閉める
- 車内に戻りEVシステムを起動(ガソリン車でのエンジンONに相当)
- 車を出してから駐車場のサインキューブを元の位置に戻す
e-POWERシリーズは上記手順4, 5をスキップすれば、後は同じです。
私はカード類が増えて財布がパンパンになるのが嫌なタイプなので、免許証自体が会員証になるのが気に入っています。
10年以上前に運転免許証へICチップが搭載され、偽造防止や本籍地非表示など提供者側やプライバシー面での恩恵はあったのでしょうが、私自身利用者側として本サービスで初めてICチップ化の恩恵を感じました。
また、普段財布に免許証を入れたままにしていない人であれば、免許不携帯のリスクを防ぐこともできますね。
機能・装備
e-Pedal
リーフに搭載されている機能。
ONにすることでアクセルペダルだけで加速・減速をコントロールできるようになります。
アクセルを緩めると回生ブレーキがしっかりきいて減速、クリープも発生しないためアクセルから足を外すと完全に停止します(e-POWERシリーズにはe-POWER Driveという類似の機能がありますが、クリープが発生します)。
いままでと運転の感覚が変わるので、初回利用の感想としてはまだ慣れないというのが正直なところ。つい今までの感覚でアクセルを緩めて無駄な減速をしてしまうことが何度もありました。これは単なる慣れだと思いますので、慣れてくると利便性の方ががぐっと上回りそうな機能です。
信号待ち中にブレーキペダルを踏む必要がなく足がラクですし、回生ブレーキがしっかり効くので山道の下り運転でも重宝しそうです。
高齢の方のアクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故をよくニュースで目にしますが、e-Pedalが普及すると減りそうですね。
プロパイロット
こちらはリーフとセレナに搭載の機能。
高速道路や自動車専用道で前方との車間距離を保ちながら一定速度で走るためのアシスト機能で、アクセル&ブレーキ・ハンドル操作をしてくれます。
以前、日産グローバル本社ギャラリーでセレナ e-POWERを試乗させて頂いたときに本機能を試す機会があったのですが、実際にソレイユの丘まで出かけるときに使ってみて本当に便利だと痛感しました。
ソレイユの丘から桜木町までの帰り道は林IC→(三浦縦貫道路)→衣笠IC→(横浜横須賀道路)→狩場ICと走ったのですが、片道約45kmの道中のうち約35kmは自動車専用道です。料金所や分岐の箇所で何度か手動でハンドル操作をしましたが、後は基本的にプロパイロットがやってくれました。
ほ〜んと楽チン、遊び疲れた帰り道には最高ですね。
車間距離を保ち速度も一定なので、運転頻度の少ない私が運転するよりずっと安全運転だと思います。もちろん、最終的な運転の責任はドライバーにありますので、快適さ故に油断しないように気を付けないといけないですね。
気になったことと言えば、せっかく適切な車間が保たれているのにスペースがあると見做して間に入り込んでくるマナーの悪いドライバーがたまにいることくらいです。みんながプロパイロットで高速道路を走れば事故や渋滞が大幅に減るんでしょうね。
なお、渋滞にはつかまりたくないですが、一度は渋滞でも本機能を使ってみたいですね!
プロパイロット・パーキング
駐車場での駐車をアシストしてくれる、駐車が下手な私にうってつけの機能。
なのですが、本機能はまだ使っていないです。
というのも、操作方法をちゃんと覚えきれておらず、いざソレイユの丘で使ってみようと操作にまごついていると後ろに駐車待ちの車がきてしまい、とりあえず手動で駐車したという次第です。
道具は使い手次第ってやつですね・・・。次回はまずガラガラの駐車場で練習してから使いたいと思います!
ドラレコ・ジュニアシート
ドラレコとジュニアシートが標準装備。ジュニアシートはトランクルームに入っています。ドラレコは昨今の煽り運転の問題もあり皆にとって嬉しい機能ですし、ジュニアシート標準装備がファミリーには有難いですね!
私はmifoldという持ち運びに便利な超コンパクトジュニアシートを使っていたのですが不要になりそうです。
mifoldはカバンに入るコンパクトさなので、ジュニアシートの付いていないカーシェアを使っている方にはおすすめですよ!
なお、ジュニアシートは年齢の目安が3歳〜10歳のシートですので、チャイルドシートが必要な方はご自身で準備する必要があるためご注意ください(とはいえチャイルドシートはかさばるのでカーシェアよりレンタカー+チャイルドシートオプションが無難でしょうね)。
その他装備品
カーナビとETC車載器はもちろん標準装備、ETCカードも標準装備なので自身で用意する必要はありません。後日会員登済みクレジットカードに高速道路代の請求がいく仕組みです。
返却
返却手順はリーフとe-POWERシリーズ2車種で少し異なります。リーフの場合、おおきく以下の流れとなります。
- 駐車場のサインキューブを移動
- ステーションへ前から駐車(充電のため)
- パーキングにしてEVシステム停止
- ダッシュボード右端にある「充電ポートリッドオープナー」を押し、ボンネットにある充電ポートの蓋をオープン
- 普通充電ポートのキャップを開け、充電プラグを接続
- 車のキーを助手席グローブボックス内のキーボックスに差し込み、返却側にまわす
- 運転免許証を車のリアウィンドウにあるカードリーダーにかざす
- サインキューブを車の前に置く
返却手順に充電が含まれており、次に使う人にとって有難い仕組みですね。充電操作に慣れていない初回利用時は、利用時間を超過しないように多少時間に余裕をもって戻ってくることをオススメしますよ。
写真中央下が充電ポートリッド。
ダッシュボード右端にある「充電ポートリッドオープナー」を押すと蓋がかるく開くので、上まで手で開くと充電ポートが2つ見えます。
写真左が急速充電用、右のオレンジのキャップが普通充電用です。オレンジのキャップを外し、充電ポートに充電コネクタを挿せば充電が開始されます。
なお、e-POWERシリーズはピュアEVではないため燃料補充手段は充電ではなく給油ですが、レンタカーのように満タン返しの必要はありません。ガソリンが減ってきた任意のタイミング(半分以下になったら目安とのこと)で利用者が備え付けの給油カードで給油すれば大丈夫です。返却手順としては、上の返却手順2で後ろ向きに駐車し手順4, 5をスキップすれば後は同じです。
以上、いかがでしたでしょうか。はじめてのピュアEVでしたが、楽しいドライブになりました!
e-シェアモビ、オススメですよ!