横浜ベイエリアには、野毛商店街、イセザキ・モール、馬車道商店街、元町ショッピングストリートなど有名な商店街がいくつもあります。
これらの商店街には少し知名度は劣るかもしれませんが、ディープで楽しい「吉田町名店街」を本日はご紹介したいと思います。
吉田町名店街 アクセス
最寄駅は関内駅。桜木町駅、日ノ出町駅からも十分徒歩圏内です。
野毛と伊勢佐木町の間に位置し、野毛方面からだと野毛本通りを進み大岡川にかかる都橋を渡ると吉田町入り口です。
野毛大通りは都橋を過ぎると吉田町本通りに。この通り沿いやその周辺にお店が広がります。そのまま吉田町本通りをまっすぐ進むと吉田橋交番を過ぎ、イセザキ・モール入り口に突き当たります。
街並み
野毛に勝るとも劣らないディープなエリアなんですが、単に雑多な訳ではなく建物・街並みに独特の雰囲気があるんですよね。
下の写真の吉田町第一名店ビルは、赤い塗装がとても印象的。本通り側の1階の白地と2階以上の赤地のコントラストも好きなんですが、裏路地側の雰囲気が特に好きだったりします。
こちらが裏路地側。本通り側とは異なり一面赤色の壁が続き、配管やケーブル、窓の柵などの無機物がなんともいえない雰囲気の空間を作り出しています。
夜になるとジャズ喫茶ADLIBやバーの明かりが灯りまた違った印象に。
この吉田町第一名店ビルから野毛方面に、吉田町第一〜第三共同ビルと細長い4階建のビルが並びます。
都橋そばの吉田町第三共同ビルはベージュの壁面に特徴的なフォントで「吉田町名店街」と描かれているのが印象的だったのですが、先日訪問すると壁画に変わっていてびっくりしました。
こちらは「ノラねこ通り」。数年前にバーなどが並ぶこの裏通りをこう名付けたんだとか。
吉田町は夜がメインの町ですが、昼間の街並み散策も面白いですよ！
お店紹介
続いて、吉田町にあるお店をいくつかご紹介したいと思います。
飲食店が多く軒を連ねますが、特にバーが集まっているのが印象的。ジャズ喫茶もあるのが横浜という感じですね。年末には吉田町バーズストリート カクテルラリーというイベントもやっています。
梅や
創業大正二年、創業100年を超える老舗の鶏肉専門店。
都橋を渡ってすぐの吉田町第三共同ビルの1階にあります。ここ吉田町本店以外に、横浜髙島屋のデパ地下にもお店がありますよ。
せせりやぼんじり、赤レバーに白レバー、キンカンなどスーパーでは取り扱いの少ない各種部位のお肉、大山どりや伊達鶏、名古屋コーチンといった地鶏・銘柄鶏など専門店ならではのさすがの品揃え。
白レバーは普通のレバー（赤レバー）が苦手な人でも食べやすいのでオススメ。他にも、手羽先を食べやすく&かわいくカットした「チューリップ」も取り扱っていますよ。片手でつまめるので、お酒の肴やお弁当の具材にうってつけ。
焼き鳥やお惣菜、お弁当も取り扱っています。焼き鳥はレバー串と食べ応えのある手羽串がオススメ。ちなみに、娘はつくね串に目がなく普段あまりお肉を食べてくれないのですがつくねならいくらでも食べてくれます。
割烹蒲焼 八十八
創業明治四三年、創業110年になる老舗うなぎ屋八十八（やそはち）。老舗のお店が続きますね。
吉田町本通り沿い、赤い壁が特徴的な吉田町第一名店ビルの向かいにあります。立派な木の看板ですぐ分かるかと思います。ちなみに、八十八とJR根岸線を挟んで反対側には同じく老舗うなぎ屋の「わかな」もありますよ。
お値段は張りますが、記念日などに老舗の味を楽しむのもいいかもしれません。ちなみに、今年2020年は7月21日（火）が土用丑の日ですよ。
ここ吉田町以外にも石川町、そして最近オープンしたNEWoManにもお店ができましたよ！
野毛おでん
「野毛」＋「おでん」という魅力的な単語が組み合わさった、創業明治三十六年と創業120年近くになる老舗のおでん屋さん。
元々は野毛交差点付近の屋台だったんだとか。吉田町の伊勢佐木町寄りにあるのに「野毛」と付くのはそういうことだったんですね。
場所は吉田町第一名店ビルの伊勢佐木町側の角を福富町方面に曲がってちょっと進んだところ、クリーム色の壁と看板が目印です。
老舗だけあって夜は少しお値段張りますが、まずは気軽に行けるランチがオススメ！
写真は「おでん定食」（税込850円）。
名物の大根に卵、がんもにちくわぶなどが入ったおでんに小鉢、香の物、しじみの味噌汁、ごはんの定食。
いったい何時間煮込んだらおでんの具はこんな色になるんでしょうか。小鉢のホタルイカも美味でした！ちなみに、おでんだけでなくお刺身や焼き魚、うなぎなども置いています。
ただ残念なことに、新型コロナウイルスの影響で苦しくなり、今年の8月29日でランチ営業は終了し夜のみの営業になるとのこと。ここのランチが気になる方はお早めに！
麺や 魁星
関内駅周辺でイチオシのラーメン屋、「魁星（さきがけぼし）」も吉田町にあります。
場所は吉田町第一名店ビルの裏、野毛方面側。
写真のラーメンは「コク塩」（850円）。阿波尾鶏とホンビノス貝（ハマグリに近い味です）から出した上品な出汁に白トリュフオイルをかけたラーメンで、スープがたまらなく美味しい！鶏白湯系のラーメンが好きな人には合うかと思います。
スパルタ
ノラねこ通り沿いにあるギリシャ料理のお店。ギリシャ国旗の青と白のカラーの入り口ですぐに分かります。
ここは、1953年オープンの日本で最も歴史のあるギリシャ料理店。かつての横浜港にはギリシャ人船乗りが立ち寄ることが多く、曙町あたりによく集っていたんだとか。初代店主は元船乗りのスパルタ出身エリヤス・スカンゾスさん、だから店名もスパルタなんですね！
いまは新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき厳しいらしく、運転資金のためのクラウドファンディングをやっています。近くを訪れた際には是非食べに行ってみてください！ランチ営業もやっていますよ。
アンテナアメリカ
アメリカの様々なクラフトビールを楽しめるテイスティングルーム＆ボトルショップ。150種類以上もあり、こんなにたくさんのブリュワリーやビールがあるんだ〜と驚かされます！
アンテナアメリカは品川駅（アトレ品川 FOOD&TIME ISETAN内）や横浜駅（ジョイナス FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA内）にもお店があります。横浜駅の店舗もアクセスが良く綺麗ですが、ワクワク感を感じたいならぜひここ吉田町のお店がオススメ！
場所は吉田町本通りから一本裏に入った第六吉田ビルの5・6階。麺や 魁星の向かいにあります。雑居ビルの5・6階というのがポイントで、初めて訪れる時の妙なドキドキ感と店内に入ったときの驚きはこういった街ならでは。
5階はテイスティングルーム＆ボトルショップ。購入して家で飲むもよし、その場で飲むこともできます。私はそもそもグラウラーって単語自体知らなかったんですが、持ち帰りの場合にビールを持ち運ぶための容器であるグラウラーを利用すると10%OFFになるとのこと。魔法瓶やクーラーボックスなどで有名なスタンレーからも販売されていますよ。
６階はアイスホッケーテーブルなどのアメリカ直輸入ゲームや大型スクリーンでのスポーツ観戦も楽しめ、貸切も可能とのこと。
この日訪れたときは「Sierra Nevada Pale Ale」を購入。華やかな香りが特徴のアメリカンスタイル・ペールエールの代名詞ともいえるビール。美味しいですよ！
Bar Noble
石作りで重厚感のある店構えのバー。ここはなんと、ワールドカクテルチャンピオンシップで優勝経験のある山田高史さんのお店なんだとか。
場所は吉田町第一名店ビルの伊勢佐木町側の角を福富町方面に曲がってすぐのところ、野毛おでんの近くです。
こういうところは気後れしてしまいますが、一度は凄腕バーデンダーさんのカクテルを体験してみたいものです。
Archiship Library & Cafe
建築事務所の1階にあるブック&カフェスペース。
一般500円／学生200円で1ドリンク＋茶菓子付き。店内にある建築関連の書籍は自由に読むことができます。
建築・デザイン関係の学生さんなんかにはたまらないスペースでしょうね！
イベント
様々なイベントをやっているのも吉田町名店街の魅力！
吉田まちじゅうビアガーデン
毎年GWの5月3日（祝）と7・8月下旬の土曜日に開催されるイベント。
吉田町本通りがホコ天になり路上に客席が用意されます。吉田町の飲食店が一堂に会しビールやカクテル、食べ物を販売してくれます。また、特設ステージでのライブなどイベントもありますよ。
鶏肉専門店のショーケースに並ぶ焼き鳥と一緒にこんなポスターを見てしまったら行かずにはいられないですね！
ちなみに、今年の春は新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となってしまいました。
夏は7月25日（土）開催分は中止が決定、8月29日（土）は本記事執筆時点では未定とのこと。
吉田まちじゅうハロウィンパーティー
毎年10月下旬の土曜日に開催されるハロウィンパーティー。
元町ショッピングストリートのキッズハロウィンも素敵なイベントですが、吉田町も負けていません。こちらはビアガーデン形式のハロウィンパーティー！
それじゃ吉田まちじゅうビアガーデンじゃないか、という声が聞こえてきそうですがハロウィンのポスターにもちゃんと「吉田まちじゅうビアガーデン」という単語が入っています。ハロウィンにかこつけて飲むスタイル、いいですね！
もちろん、仮装した子供へのお菓子のプレゼントや、仮装したバンドのライブなどハロウィンらしさもありますよ！
ヨコハマ大道芸 in 吉田町アート&ジャズフェスティバル
毎年4月下旬の土日に開催されるイベント。
大道芸といえば1986年から始まった「野毛大道芸」が日本三大大道芸の1つに数えられるイベントですが、2006年からはみなとみらいや伊勢佐木町、吉田町などのエリアで行われる「ヨコハマ大道芸」もスタートしました。
4月第3週の週末にヨコハマ大道芸→翌週末に野毛大道芸と二週に渡って大道芸イベントが繰り広げられます。吉田町アート&ジャズフェスティバルはヨコハマ大道芸イベントなんですが、野毛大道芸と同じ日程で開催されます。
吉田町はただの飲み屋街ではなくジャズ喫茶、そして画廊やアトリエもある街で、「アート」と「ジャズ」をテーマにジャズの生演奏やアート・骨董市、ワークショップなどを開催してくれます。
ちなみに、今年4月に予定していた野毛大道芸は新型コロナウイルスの影響で9月への延期を計画していましたが、残念ながら9月も中止となってしまいました。ヨコハマ大道芸は本記事執筆時点では9月への延期のみしかアナウンスされていませんが、野毛の状況を鑑みるに開催は厳しいかもしれません。
以上、ご覧頂き有難うございました。
野毛や伊勢佐木町エリアに行ったときにはしごするもよし、吉田町をどっぷり楽しむもよし、味わい深い町ですよ！
