神奈川県立歴史博物館 – 二代歌川広重の「諸国名所百景」も展示中

本日ご紹介するのは、馬車道沿いにある神奈川県立歴史博物館。

元々は明治三十七年に横浜正金銀行本店(東京銀行ができるまで、戦前の外国為替を担っていた銀行)として建てられた重厚感のあるネオ・バロック様式の建物で、現在は博物館として利用されています。

新型コロナウイルスの影響で当初8月末まで臨時閉館とアナウンスされていましたが、6月9日から再開し、6月24日からは中にある喫茶ともしびも営業再開しました。

雨の日でも楽しむことができるので梅雨の時期は特にオススメ!幼稚園児の娘も思ったよりかなり楽しんでくれたみたいで、連れて行った甲斐がありました。

インフォメーション

アクセス

最寄駅はみなとみらい線の馬車道駅、3・5番出口を出てすぐ。桜木町駅、関内駅からも徒歩圏内ですよ。

馬車道沿いのドーム側が特に印象的な建物ですが、新型コロナウイルス対策のため馬車道側は出口専用(写真1枚目)、馬車道の一本裏通りにある正面エントランス(写真2枚目)が入口専用となっています。

営業時間

  • 営業時間:
    9:30~17:00(16:30最終入館)
  • 休館日:
    • 月曜日(祝日除く)
    • 年末年始(12/28~1/4)
    • 資料整理休館日、その他臨時休館日

入館料

常設展の観覧料は以下の通り(特別展は別料金)。

  • 大人:¥300
  • 学生 or 20歳未満:¥200
  • 高校生 or 65歳以上:¥100
  • 中学生以下:無料

中学生以下が無料というところに博物館としての良心を感じますね!

以下の日は無料で観覧することができます。

  • 文化の日(11.3)
  • 開館記念日(春分の日 3.20 or 3.21)

他にも、ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第一日曜日)では、神奈川県民が高校生以下を含む家族で訪れた場合、高校生以下無料、他は団体料金(¥300→¥250、¥200→¥150)が適用されます。

その他

歴史的建造物ではあるものの授乳室やおむつ換え台がちゃんと設置されており、小さな子供連れにも優しい施設になっています。

展示

特別展

直近の特別展(「明治錦絵×大正新版画」(4.25〜6.21)、「十王図」(7.18〜8.30))は新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となってしまいましたが、常設展は観覧することができます。

常設展

常設展では、神奈川の歴史を以下の5つに分けて展示されています。

  • さがみの古代に生きた人びと
  • 都市鎌倉と中世びと
  • 近世の街道と庶民文化
  • 横浜開港と近代化
  • 現代の神奈川と伝統文化

旧石器時代から現代まで順路に従って展示されていますが、やはりその時代で神奈川が大きな役割を担った鎌倉時代、幕末〜近代が見応えがあります!

展示物の光による劣化を防止するために展示スペースの照明は薄暗くなっていますが、これにより展示物がフォーカスされ引き込まれるようになっているのもいいですね。

トピック展示

常設展内のトピック展示(別途追加料金はなし)では6.9〜7.23の期間、二代歌川広重「諸国名所百景」の展示第四弾を開催中。

二代歌川広重は「東海道五十三次」であまりにも有名な初代歌川広重の門弟で、1826年生まれ1869年没と江戸末期から明治初期に活躍した浮世絵師。晩年には横浜港が開港し、当時流行した異人居留地や異人風俗を描いた横浜錦絵も手掛けています。

第四弾は中部・関東地方エリアの名所を描いた浮世絵12点を展示。うち2点は横浜を描いたものですよ。

「武州 横浜 岩亀楼」

横浜開港にあたり設立された港崎(みよざき)遊郭にあったお店、岩亀楼。湊崎遊郭は火災で焼失し、その場所に横浜公園ができました。横浜公園にはこの岩亀楼の石灯籠が今でも残っていますよ!

また、港崎遊郭の遊女たちが静養する場所があった岩亀横丁はいまでも戸部の通りの名前として残っており、横丁には遊女たちの信仰を集めた岩亀稲荷がひっそりと残っています。

「武州 横浜 野毛」

開港間もない時期の野毛山。この十数年後には初代横浜駅(現桜木町駅)がこの近くにできる訳ですから、すさまじいスピードで埋め立て、開発されたことが伺えますね。

※館内は撮影OKなものと、撮影禁止マークがついているもの両方ありますので撮影の際はご注意ください。

エースのドーム内見学

文化の日と開館記念日(春分の日)には観覧料が無料になるだけでなく、なんと普段は立ち入ることができない屋上のドーム内を見学することもできます!不定期に開催されている建物見学会でも見ることができますよ。

神奈川県立歴史博物館は横浜三塔(キング・クイーン・ジャック)に負けず劣らず立派な建物ですが、2013年にはシンボルであるドームに横浜三塔にあやかって「エースのドーム」という愛称もつけられています。パンフレットにもこんなロゴが!

こちらの写真は4年前の開館記念日に訪れた際のもの。

ドームは通りから見るよりもずっと大きく感じ、直径12m、屋上床面から高さ19mもあります。

緑青から分かる通り表面は銅板ですが、下地には檜材が使われており中からはこんな感じ。窓からは光が明るく差し込みます。

馬車道、日本通り周辺にはここ以外にも横浜三塔や昔の銀行建築など様々な歴史的建造物があるので、ぜひ散策して楽しんで下さい!

ユウ

2020年で桜木町在住5年、妻と幼稚園児の娘と三人暮らしの30代父親。 このエリアに魅せられ、桜木町・みなとみらい周辺の観光スポットやイベント、暮らしに関する情報を中心に発信しています。また、2018年からはじめたファミリーキャンプについても書いています!