丹沢湖に流れ込む玄倉川沿いを登った先にあるユーシン渓谷。
玄倉ダムの綺麗な青い水がユーシンブルーとして有名ですが、ハイキングコースには他にも真っ暗闇を体験できるトンネルに手掘りのトンネル、玄倉川の綺麗な流れ、ちょっと不気味なユーシンロッジなど一味違う魅力が満載。
玄関口の玄倉バス停からユーシンロッジまで片道約10km、往復約6時間のコース。高低差はそれほどではありませんが、結構良い運動になりますよ!
残念ながら現在は崩落の影響で玄倉林道の一部区間(石崩隧道から洞角隧道まで)が2022年3月(予定)まで通行止めとなっており、玄倉ダムのあるエリアには行けなくなっていますが、再開した暁にはぜひチャレンジしてみて下さい!
玄倉林道の歩行者を含めた通行止めについて(神奈川県公式ページ)
なお、写真は4年前の夏に訪れたときのものです。
ユーシン渓谷玄関口
玄倉バス停
丹沢湖東端、玄倉川橋の近くにある玄倉バス停。ユーシン渓谷ハイキングの玄関口に当たります。
バス停までは小田急小田原線 新松田駅から富士急湘南バスで45分程、またはJR御殿場線 山北町駅から同バスで30分程。バスは1日7本程度なので行き帰りともに時間にはお気をつけください。
玄倉商店
バス停を降りて目の前には玄倉商店があります。丹沢湖周辺はコンビニが全くなく、ここには飲み物や食料品などが置いてあるので助かります。
また、店の隣にはハイキングコースの看板もあります。ハイキングコース沿いは携帯電話の繋がらないエリアもあるので、看板を写真で保存しておくといざというとき安心です(紙の地図ならさらに安心)。
丹沢湖畔〜境隧道まで
バス停のある県道710号線を丹沢湖畔沿いに玄倉川橋まで進むと、橋は渡らずそのまま玄倉川沿いの道を進んでいきます。
私が訪れた時は、少し前に玄倉林道内で熊に襲われた事件が起きたようで途中こんな看板が。熊鈴を持っていくと良いかもしれません。
バス停から2km程歩いたところに玄倉林道のゲートがあります。
思わず「え?ここで道あってるの?」と思ってしまいますが、この先で大丈夫です。歩行者は黄色い柵のところから入ることができます。
この先、深い山間の道沿いにトンネルが何箇所もありますが、最初に登場するのは境隧道(1号隧道)。中は薄暗いですが、短いのでたいした事はありません。
新靑崩隧道〜石崩隧道
次に出くわすトンネルが最難関の新靑崩隧道(2号隧道)!
300m以上ある長くてカーブしたトンネルで内部には照明が一切無いため、昼間でも真の暗闇を体験できます!
写真はトンネル入り口付近から撮影したもの。一人で訪れたので、思わず引き返そうかと思ってしまいました…暗すぎ…
中は全く光の届かない真の暗闇、手元のライトを消して暫くたっても「目が慣れて少しまわりが見えてくる」ということはありません。本能的な恐怖を感じることができ、夏の暑さも吹き飛びますよ…
スマホのライトを使ったのですが、光が暗闇に拡散しすぎて足元を照らすので精一杯。内部には水溜りもあって足元注意です。皆さんは必ず指向性の強い懐中電灯を持っていきましょう!
トンネル出口から振り返ると、暗闇に引き込まれそうな気分になります…
新靑崩隧道を抜けると、すぐに石崩隧道(3号隧道)があります。
トンネルの先に明かりが見えるって素晴らしい!ここを抜ければすぐに玄倉ダムです。
玄倉ダム – ユーシンブルー
玄倉ダムまでくると、ようやくユーシンブルーに出会えます!
ダムの水がややエメラルドっぽいブルーでとても綺麗!
行きはダムの水がかなり少なくあまり綺麗なユーシンブルーが見えませんでしたが、帰りは途中の通り雨のおかげか水かさが増して無事見ることができました。
水の色は水かさや天気などに影響されるでしょうから、ユーシンブルーを見るには何度かチャレンジが必要になるかもしれませんね。
ここまででバス停から6kmほどなので、歩き疲れた方はここを折り返し地点としても良いかもしれません。
玄倉ダムだけでなく、玄倉川の水もとても綺麗です。もう少し先に進むと河原に近づけるエリアもありますよ。素足を浸けて休憩すると気持ちが良いです。
手掘りのトンネル
玄倉ダムから少し進むと、玄倉第二発電所への分かれ道辺りにある4号隧道へ。
ここはなんと手掘りのトンネル。秘密の通路のようでなんだかワクワクします!
5号隧道(コンクリート製)を抜けた先の洞角隧道(6号隧道)も手掘り!人の力の偉大さを感じますね。
なお、本記事執筆時点で通行止めとなっているのは石崩隧道(3号隧道)からここ洞角隧道(6号隧道)まで(真っ暗闇を体験できる新靑崩隧道(2号隧道)までは行けるということですね…)。
8号隧道を抜けた少し先、雨山橋付近。
三方向の道標がありますが、雨山峠に向かう矢印はどこが道なのか分かりません…登山をする人たちは凄い…
雨山峠からは山荘の鍋焼きうどんが有名な鍋割山もすぐ。いつかは鍋割山へ行ってみたいです。
ユーシンまで0.5kmの道標。ここまでくればあと少しです。
ここから先、ユーシンロッジまでは下草がしっかり手入れされた美しい針葉樹の森が広がります。針葉樹の森って動物の気配があまり無くて神秘的な雰囲気がありますよね。
ユーシンロッジ
針葉樹の森の中から、ハイキングコース折り返し地点のユーシンロッジが姿を現します。
営業は休止しており、現在は登山者の一時的な避難スペースとして一部エリアが開放されています。ただし、2018年の崩落の影響で停電しており電気供給再開の見通しは未定とのこと。
人の気配は無いのに建物は綺麗な状態というのが、逆に不気味な印象を与えます。
帰路
折り返し地点のユーシンロッジからバス停までは約10km。
傾斜の比較的緩やかなハイキングコースなので、下りとはいえそれほど足に負担がかかる訳ではありませんが、帰りのバスの時間に遅れないようペース配分にはご注意ください。
寄り道 – 海老名のラテ グラフィック
帰り道、小田急小田原線 新松田駅から海老名駅乗り換えの際にぜひ立ち寄って欲しいオススメのお店が「ラテ グラフィック」。
以下の記事でもご紹介していますが、料理が絶品でハイキングで疲れた体に染み渡りますよ!
以上、ユーシン渓谷のご紹介でした。
今はユーシンブルーを楽しめませんが、丹沢湖周辺は中川川沿いに「信玄の隠し湯」とも呼ばれる中川温泉やキャンプ場が沢山。玄倉川沿いにはユーシン渓谷以外にも西丹沢県民の森などがあり、登山をする人以外にも魅力的な場所なのでぜひ訪れてみて下さいね!